2021年2月
30期生の卒業式の式辞です。

30期生の皆さん卒業おめでとうございます。
この3年間皆さんを見ていて感じたことがあります。それは皆さんの中の何かをしたい、やり遂げたいという熱意、エネルギーの強さです。日ごろのクラブや行事、寮生活などさまざまな場面でそれを感じて来ましたが、先日の卒展・卒業ライブではそうした皆さんの熱意の集大成ともいうべき成果を見せてもらうことができました。本当にすごいなと改めて思いました。
でも、そこに至るまでの道のりはいつも順風満帆だったわけではないと思います。
やりたいことはあってもまだまだ自分の力が不足していて歯痒い思いをしたり、周りの子を誘っても、うまく思いが伝わらず、思ったように動いてくれなかったりすることもあったと思います。そして今年はコロナの影響で学園としても皆さんに自由な環境を十分に提供できず、だいぶ不自由な思いをしたのではないでしょうか。
そんなときはどうしてもイライラしたり焦ったり、不安に思うことも多かったのではないかと思います。気持ちを持て余し、ついつい人やものにあたってしまったこともあったかもしれません。あるいはそんな中でやる気が無くなって最後までできなかったこともあったかもしれません。
何かをやろうという気持ちがあっても、それがうまくいかない時、人にはどうしてもこうしたマイナスの感情が生まれてきます。それは心のそこから湧き出てきてしまうもので、簡単になくしてしまうというわけにはいきません。結局そうした感情があることは受け入れて、それと向き合い、付き合っていかざるを得ないんです。
それは大変で辛いことで、あまり思い出したくないことかもしれません。でもそれは、うまく行ったという成功体験にけっして劣らないぐらい、皆さんにとって貴重な経験だったのではないかと思っています。
うまくいかずいろんなマイナスの感情が生まれてきた時には「なぜ自分の中にそんな感情が生まれてくるのだろうか」と考え、じっくり自分と向きあうこともあったと思います。友達やスタッフに気持ちを聞いてもらい、自分ひとりで抱え込まないようにしたこともあったと思います。いろいろ対話をするなかで気持ちを整理し、すこしずつ冷静に受け止められるようななったこともあったかもしれません。あるいはひたすらゆっくりと休んで気持ちを落ち着かせたこともあったかもしれません。
そんななかで、たぶん皆さんは少しずつ、うまくいかないときに自分の中に沸き起こる様々な感情に対処していく力を付けてきたのではないでしょうか。
その力こそがうまく行ったという成功体験からだけでは得られない貴重なものだと思っています。
ただ、厳しい言い方をすると、まだまだ皆さんは十分な力をつけたわけではなくて、これからもっともっと伸ばしていかなければならないと思います。
今日、学園を卒業して、みなさんは新たな場所でやりたいことにチャレンジしたり、あるいは自分が一体何をしたいんだろうかと、もう一度ゆっくりと自分に向き合いことをされると思います。
そのなかでやはりうまくいかない、思ったようにいかない、わからないことにたくさん直面し、いろんな感情を向き合うことになると思います。
そんなとき、学園での経験を思い出し、学園で付けた力を元にして、更に冷静に考えて、広い視点に立って行動していく力をつけていってほしいと思います。
今の時代は昔に比べものすごい量の情報が、ものすごい速度で流れてきます。そんな中にあっても、流されることなくきちんと立ち止まって、周りの人と対話をしながらしっかりと考えて生きていってほしいと思います。
最後になりますが、お母さん、お父さん、ご家族の皆さん、今日お子さんたちは学園を卒業してそれぞれの道に飛び立って行くわけですが、今お話したようにこれから先もいろんな困難に立ち向かわなければならないと思います。そんなときにはしっかりと気持ちを受け止め、しっかりと対話をしてお子さんたちが自分の力で解決していけるように支えていって上げてほしいと思います。
そのことを最後にお願いして、本日の式辞とさせていただきます。