5年間を振り返る

女子 母 (高星ニュースより)

生野学園と出会って5年が経ちます。長女が入学して間もなく買い換えたワンボックス車が、先日10万km を超えました。自宅から生野まで往復140㎞を何十回したのだろうと感慨にふけると同時に、この5年間は涙あり笑いあり、「学校」でこんなに充実感を得られたことにとても感謝しています。
 小学校低学年から不登校だった娘は、本当は「学校」が大好きで、音楽会や運動会を人眼もはばからず一生懸命に“のぞきみ”して自分をその中に投影していました。行きたいのに行けない、明日こそ!と意気込んでも朝になると起き上がれない。私はもどかしくて「明日はどうするの!」と、ゆっくり見守る余裕のない私が娘の心を常にかき回していました。
 一方の次女は「学校」には興味がなく、友達と楽しく遊ぶのはいいけれど、競い合ったりいさかいごとになったりするとその場から離れていました。音楽会や運動会なども彼女にとって意味のない行事で、関心を持とうとしませんでした。
 この対極的な二人は振り返れば2・3歳ごろから、姉妹二人で寄り添いあって生きてきたのだと、不登校でひきこもりはその延長だったのかと今にして思います。
 転機は二人とも中学の卒業でした。「卒業したらこれからどうするのか・・・。」長女は、「今までできなかったこと、やりたかったことをしたい。」次女は、「今まで避けてきたことをやってみよう。」とそれぞれの思いがあったようです。生野学園はそれぞれの思いに応えてくれました。
 しかし、子どもたちたけでなく私達夫婦も変化が著しかったでしょう。夫は初めての体育祭で「スタッフがこんなにやってくれてんのに、自分達は何をしてきたんだろう。」と感じたそうです。その頃に須田先生(京口カウンセリングセンター所長)から「お父さんの役割として、車で学園の送り迎えをしてください。」と助言をいただき、長女の送迎をするようになりました。すると、車の中で長女の話を聞くことで、父親として子どもの気持ちに寄り添えるようになりました。親の会にも積極的に参加するようになりました。泊り込んで夜遅くまてスタッフや他の親御さんと話し、意固地ですが色んな人から様々なアドバイスを聞いていました。子どものために本気でやっているのだと、感心しました。
 一方で母親である私はというと、親の会では「子どもたちはこんなに頑張っている。もっとゆっくりさせて、見守れるようにしよう。」と思うのです。しかし、家にもどるとまた気があせります。やっとこの頃「急がば廻れ」を実感できるようになりました。一番意固地たったのは私なのでしよう。
 さあ、これからが本当の闘い、自分との。二人ともまあ数年は家の中で過こすでしよう。これからの日々は、まずは「母」が居心地のよい空間を作っていきたいと思います。
自分から変えていく。ても、自分を大切に、自分の心も大切にして、自分から動けは周りも変わってくると信じて、やってみます。
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