学園で過ごして思ったこと

豊田麻由香

高星ニュースより

4月に入ったばかりの私が何を書いたらいいのか、すごく悩みました。悩んだ末、弟の話にしようと思います。
 私には5つ下の弟がいます。28期と同い年です。4月に3年生の担当になったことが分かった時、最初に思ったことは「弟と同じ年の子だ」ということでした。私の弟は不登校をした挙句高校を2回もやめて中卒です。そんな弟が私は大嫌いでした。弟は中1の後半から不登校になり、家では暴れ、外では警察沙汰。本当に私には理解のできないことばかりをする弟でした。当時高校生だった私は会話をすれば喧嘩で、目が合うのも嫌でした。
 その後大学に入り、私は養護教諭の勉強をする中で、不登校について勉強をする機会がありました。勉強をする中で、弟はなぜ不登校になったのだろうと思うようになりました。弟が不登校を始めた当時を振り返ると、家庭の中で色々な大きな変化があり(気になる人は聞いてくださいね)寂しかったり、辛かったりそんな気持ちを態度として表していたのではないだろうかと思うようになりました。そして大学4回生になり、就職活動をする中でこの学園のことを知りました。不登校のことについての知識はないけれど「自分が勉強させてもらいたい」という気持ちで学園に入ろうと決めました。学園に入ってからは、先輩スタッフや生徒たちから色々なことを教わり、不登校の経験のある色々な生徒と関わる中で、様々なことを感じ、自分でも弟や家族のことを振り返り、整理をする1年になったように思います。
 学園に入り、先輩スタッフの話や親会で親御さんの話を聞く中で、私の考え方も少しずつ変わっていったように、弟も仕事をはじめ、年上の先輩たちから色々な刺激を受け、今は自分なりの夢を持って生活しています。人が人へと与える力は大きいと思います。どんな人でも誰かに影響を与えながら生活していると思っています。また、良いことも悪いことも、必ず自分の為になるとも私は思っています。「役に立たない経験などない」と私は思っています。28期の一人ひとりの3年間の物語、経験を大切にこれからの人生をゆっくり、のんびりと、焦らず自分のペースで過ごしてほしいと思っています。
 みんなと過ごす日々が楽しくなってきたところでお別れになることがすごく寂しいですが28期のみんなにもらった経験を大切に私も学園での生活をのんびり頑張っていこうと思います。
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