ご卒業おめでとうございます

高橋則博

高星ニュースより

27期生と共に生活してきたこの3年間本当にいろいろなことがありました。スタッフとして、人間として、彼ら、彼女らにどんな援助ができたかは自分ではわかりませんが、僕自身、子どもたちとの「縁」を感じる場面がたくさんありました。子どもたちと向きあっていく中で何か気持ちがシンクロしたような感覚で共に喜んだりうれしい経験をしたり、自分自身と向き合わされ、自分の弱い部分に気づかされたり、壁にぶち当たったり…。何だかこちらがサポートしたり、伝えていったこと以上に子どもたちから教えられたり気づかされたりすることは多かったようにも思います。
 あらためて思うのは、子どもたちが根っこのところで知りたいのは大人がついつい考えてしまうような上手く生きるための方法ではないんだなということです。大げさな言い方かもしれませんが、生きる手段じゃなくて生きる意味、自分の存在のほうが知りたいんだなぁと。意識しているか無意識でしているのかの違いこそあれ、それぞれが「自分は誰かに必要とされてるのか。自分自身の為に、人の為に一体何ができるのか。」という自分探しの為に歩んでいるのだと感じます。大人が責任と役割をこなす日常の中で忘れていたりごまかしたりしている根本的なテーマを子どもたちは突きつけ、気づかせてくれています。そんな彼らを見守るというのは何か操作しようとしたり、逆にほっておくというようなテクニック的なことではなくて、私たち大人自身が元気に生き生きとした人生を歩み、彼らの言葉を聞き、一緒に泣き、笑い、悩む事だと思います。それこそ子どもたちが過ごしていく為の1番の環境づくりなのかなぁと思っています。私自身まだまだできないことばかりですが、これからも大切なことを子どもたちに教えられながら、成長してゆけたらと思っています。
 最後に、27期生の皆さんご卒業おめでとうございます。学園での3年間を過ごした子どもたちの人生は始まったばかりです。これからもご家族の支えとともに、学園で培ったエネルギーを礎にたくましく歩んでいくことを切に願いながら遠く生野の地からいつまでも応援しています。またいつでも学園に来てください。お待ちしております!
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