地方の人口減少について
長年、生野駅と生野学園の間の路線バスを運営されていた会社がこの3月をもって朝来市から撤退することになりました。これまで多くの子どもたちがこのバスを利用して通学してきたことを考えると大変残念なことではありますが、運営会社からすれば赤字路線を整理していくのはやむを得ない選択なのでしょう。
後継の交通手段は朝来市が運営する「デマンド型バス」になります。デマンド型バスは定期運行ではなく予約があれば運行するもので、運行ルートも予約に合わせたコースをその都度決定することになります。これは無駄のない合理的な方法ではありますが、運行する車は10人乗りと8人乗りとのことであくまで小規模の需要を想定したものです。そのため生野学園の生徒達の通学に利用するためには人数的に無理があるし、もし学園で独占してしまえば他のお客様に迷惑をかけてしまうことになります。
ではデマンドバス以外にどんな通学手段があるのか?朝来市と相談しながらスタッフで議論を進めてきました。そして最終的には朝来市の協力をいただき、地元の観光会社さんにお願いして週に2本、生徒たちの通学のためのバスを運行していただくことになりました。
なんとか最低限の通学手段を確保する見通しは立ちましたが、予算上これ以上に本数を増やすことは難しく、子どもたちにとっては帰宅、帰園の時刻の選択肢が狭まり不便になることは避けられない状況です。
新聞等を見ると朝来市に限らず様々な地域でのバスや鉄道の廃止が報じられています。地方の人口の減少が赤字路線の拡大に直結し運行会社の経営を圧迫しているのでしょう。
じっさい国勢調査をみると大都市への人口集中は驚くべき勢いで進んでいることがわかります。人口が増えているのは本当に一部の大都市だけで地方都市も含めほとんどの地域で人口が減少しているのです。
たぶんこのことの背景には日本という国が国際競争力を維持するために地方経済の基盤であった農業や地場産業に見切りをつけ、一部の有力産業に力を集中していったという大きな流れがあるのではと思います。そのため地方では「仕事がない」「食っていけない」という状況が生み出され、大都市に移住するしか手段がなく、結果として「高齢化」「学校の定員割れ」そして今回のような「交通手段の減少」といった問題に直面しているのではないでしょうか。
そしてこの大きな流れは一朝一夕で変わるものではないと思います。地方の過疎化、大都市への一極集中は様々な弊害を引き起こしながらも当面は継続していくのでしょう。
ただし、この方向に未来への展望があるかというとどうしても疑問が生じるのです。地球環境を考えると、環境にやさしい産業構造への転換を真剣に考えなければならないし、引き起こされた格差の是正も重要な課題になってきます。そしてそもそもこの方向で国際競争力を復活させることができるのかという問題もあります。そうしたことを考えると、どこかで地方の復権、復活に政策の中心をシフトしなければならない時がやってくるのではないでしょうか。
そして、まだまだほんの一部ですが、すでに都会からUターンやIターンで地方に移住してきた若い人たちがいるのも事実です。こうした人達が求めているのは豊かな自然の中での健康的でゆったりとした持続可能な生活だと思います。つくり手がいなくなって放置されていた農地を借りて農業を始めたり、ネット環境を利用して地方でも可能な仕事を作り出したりしながら、金銭面ではたしかに難しいこともあるかとは思いますが、地域の人達と協力しながら新たな生活を送っておられます。また子育て世代で子どもたちが豊かな自然のなかで伸びのびと育っていくことを願っている方も多いようです。
先述したように国レベルの大きな流れはなかなか変わらないかもしれませんが、地方行政がこうした若い世代を受入れ、支援することは可能ではないでしょうか。
ですから、まずはそれぞれの地域が特徴を活かして若い人たちが住みやすく、子育てがしやすい環境を作っていくことが、地道ではあるけれど地方が復活していく道筋なのではと思います。
地方の学校として生野学園も「ここでしかできない教育」を模索し、路線バスの廃止にめげず微力ではありますが地域の魅力づくりに貢献していく所存です。
後継の交通手段は朝来市が運営する「デマンド型バス」になります。デマンド型バスは定期運行ではなく予約があれば運行するもので、運行ルートも予約に合わせたコースをその都度決定することになります。これは無駄のない合理的な方法ではありますが、運行する車は10人乗りと8人乗りとのことであくまで小規模の需要を想定したものです。そのため生野学園の生徒達の通学に利用するためには人数的に無理があるし、もし学園で独占してしまえば他のお客様に迷惑をかけてしまうことになります。
ではデマンドバス以外にどんな通学手段があるのか?朝来市と相談しながらスタッフで議論を進めてきました。そして最終的には朝来市の協力をいただき、地元の観光会社さんにお願いして週に2本、生徒たちの通学のためのバスを運行していただくことになりました。
なんとか最低限の通学手段を確保する見通しは立ちましたが、予算上これ以上に本数を増やすことは難しく、子どもたちにとっては帰宅、帰園の時刻の選択肢が狭まり不便になることは避けられない状況です。
新聞等を見ると朝来市に限らず様々な地域でのバスや鉄道の廃止が報じられています。地方の人口の減少が赤字路線の拡大に直結し運行会社の経営を圧迫しているのでしょう。
じっさい国勢調査をみると大都市への人口集中は驚くべき勢いで進んでいることがわかります。人口が増えているのは本当に一部の大都市だけで地方都市も含めほとんどの地域で人口が減少しているのです。
たぶんこのことの背景には日本という国が国際競争力を維持するために地方経済の基盤であった農業や地場産業に見切りをつけ、一部の有力産業に力を集中していったという大きな流れがあるのではと思います。そのため地方では「仕事がない」「食っていけない」という状況が生み出され、大都市に移住するしか手段がなく、結果として「高齢化」「学校の定員割れ」そして今回のような「交通手段の減少」といった問題に直面しているのではないでしょうか。
そしてこの大きな流れは一朝一夕で変わるものではないと思います。地方の過疎化、大都市への一極集中は様々な弊害を引き起こしながらも当面は継続していくのでしょう。
ただし、この方向に未来への展望があるかというとどうしても疑問が生じるのです。地球環境を考えると、環境にやさしい産業構造への転換を真剣に考えなければならないし、引き起こされた格差の是正も重要な課題になってきます。そしてそもそもこの方向で国際競争力を復活させることができるのかという問題もあります。そうしたことを考えると、どこかで地方の復権、復活に政策の中心をシフトしなければならない時がやってくるのではないでしょうか。
そして、まだまだほんの一部ですが、すでに都会からUターンやIターンで地方に移住してきた若い人たちがいるのも事実です。こうした人達が求めているのは豊かな自然の中での健康的でゆったりとした持続可能な生活だと思います。つくり手がいなくなって放置されていた農地を借りて農業を始めたり、ネット環境を利用して地方でも可能な仕事を作り出したりしながら、金銭面ではたしかに難しいこともあるかとは思いますが、地域の人達と協力しながら新たな生活を送っておられます。また子育て世代で子どもたちが豊かな自然のなかで伸びのびと育っていくことを願っている方も多いようです。
先述したように国レベルの大きな流れはなかなか変わらないかもしれませんが、地方行政がこうした若い世代を受入れ、支援することは可能ではないでしょうか。
ですから、まずはそれぞれの地域が特徴を活かして若い人たちが住みやすく、子育てがしやすい環境を作っていくことが、地道ではあるけれど地方が復活していく道筋なのではと思います。
地方の学校として生野学園も「ここでしかできない教育」を模索し、路線バスの廃止にめげず微力ではありますが地域の魅力づくりに貢献していく所存です。